受注数5倍に 中長期で考える BtoB SaaSの営業組織化~コンテンツマーケティングの自走
プロジェクトメンバー
- 鈴木敬コンサルタント
- 柴田将斗広告運用
- 黒須仁美SNS運用支援
採用活動にかかるマンパワーやコストを削減し、学生とのコミュニケーションを円滑に行うためのLINEを活用した採用管理ツール「next≫」をSaaSで提供する株式会社アローリンク。
free web hopeはセールスの組織改革〜コンテンツマーケティングまでを自走できる組織づくりの支援をさせていただいています。
営業マネージャーでマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの責任者である同社のHRi事業本部の渡邉里保様とインサイドセールスの責任者の渡邊佳奈様、そしてプロジェクトをご一緒したfree web hopeの鈴木敬、柴田将斗、黒須仁美がお取り組みを振り返りました。
抱えていた問題
・マーケティングリードが足りない
・商談成約率が上がらない
・営業育成を可能にする体制づくりができていない
・広告と連動したLP
・CPA改善
free web hopeが行ったこと
・商談ステップの可視化
・セールス活動における共通定義、言語の設定
・ナーチャリング方法の策定
・Twitterオーガニック運用の企画、支援
・広告運用の戦略立案
・広告運用実行支援
・LP構成制作
・WPのABテスト設計/実行
得られた成果
・リード数 約7倍
・CPA45%改善
・商談数 約4.5倍
・受注数 約5倍
メンバーがほぼ新人。その中でセールス&マーケティングのアクセルを踏みたかった
ご相談当時の課題を教えてください。
渡邉(里):コロナ以前は大きな予算を投下して新規リードを獲得して営業をしていたのですが、コロナ禍以降はそれを改めたいと考えたことが始まりです。
▲アローリンク渡邉里保様(左)、渡邊佳奈様(右)
渡邉(里):具体的にいうと、コロナ前は大型の展示会に出展したり、かなりの広告費をかけていました。ただ、コロナ禍に広告予算を抑える方針になり、新規リード獲得をストップしたり、組織の改編も行われました。
2022年になってからもう一度セールス&マーケティングのアクセルを踏もうと思ったときに課題になったのが以下です。
渡邉(里):組織改編を経て、私以外のセールスのメンバーはほぼ新人という状況になっていました。
費用対効果のあるセールス&マーケティングの施策、かつ、経験値が浅いメンバーのリソースでもできる手法に取り組みたいと考えたときに、「0から自分たちで考え直すよりもプロの手を借りたいよね」というところから、free web hopeさんとご縁があり、ご一緒させていただくことになりました。
リード数7倍、商談数4.5倍、そして受注数は5倍に伸長
どのような支援を実施されましたか?
鈴木:セールスの組織化支援〜コンテンツマーケティングの支援まで携わらせていただいています。
具体的には、リード獲得の施策を打ってリードが増えてきたときに「商談は増えたのか?」増えていなければ商談化のところをテコ入れしましょう。「商談から受注が増えたかどうか?」増えていないのであれば商談を強化していきましょう。さらに「リードは十分なのか?」十分でなければ認知が足りないのでSNSを運用しよう、「広告もまだまだ伸びしろがあるようなので改善していこう」と少しずつ改善していった流れです。
その結果、リード数約7倍、商談数約4.5倍、そして受注数は約5倍に伸長しました。
営業組織の改善は「言葉の定義」の擦り合わせから
鈴木:取り組みは、セールスの組織化支援とインサイドセールスの強化から始めました。
最初に行ったのが、セールスチームとして「みんなが目指すゴールの認識を合わせること」です。「どういうステップでどういうプロセスをクリアしていけばゴールに辿り着くのか」を擦り合わせました。
単語1つごとに、同じ意味・定義で捉えているかを確認しました。「ある事象が起こったときに異なった認識を持つメンバーはいないか?」を座学でしっかり解消しました。
渡邉(里):鈴木さんと一緒に話し合いながら、「今の状況をどこまで持っていこう、何を目指そう」という話を1つ1つ決めることによってここ半年の結果が出てきました。最初の3ヶ月は非常に勉強になりました。
組織編成が入ったタイミングもあって営業チームは新人が多かったので、フィードバックは1人1人にちゃんとしないといけないとか、私自身マネージメント経験が浅い中で基準や指標を作らなければならなかったので本当に助かりました。
鈴木:たとえば、アポが獲れたとか、アポが何件というセールスのレポートの“アポの定義”がそれぞれ違うと、マネージメントの分析がずれてしまうんですよね。
「こんにちは。初めまして」だけの打ち合わせがほんとうにアポなのか?という話です。ここを間違えると次の打ち手がまったく違ったものになってしまうので、共通言語づくりはしっかりやっていきました。
また、商談のステップの心理段階を明確化したことはかなり効果が出ましたね。
渡邊(佳):商談を7つのステップに分けて、「好感形成」「信頼形成」「問題点共有」「アンカリング」「差別化」「導入イメージ共有」「導入ハードル解除」と明確にしていました。
鈴木:インサイドセールスの強化で始めに取り組んだのが、KPIシートづくりです。
受注率、商談化率、アポ率、リード数の推移を管理ツールでもエクセルでもなんでも良いので整えます。1つのシートにまとめることで、「次のステップに進まない谷」を見つけて改善していくことができます。
「インサイドセールスが電話をかける数が単純に少ないよね」というのも見えてきます。トークスクリプトの改善など細かな部分も支援しました。
渡邊(佳):メンバーが自己流でやってきて何が正解で何が不正解かわからなかった部分をテコ入れしていただいたので助かりました。
架電することに対して拒否反応が出るメンバーが出ることも危惧したのですが、目に見えて成果が出るセールストークを教えてもらい、各担当者のやる気も引き上がりました。
また、リード情報は管理がほぼされてなかったんです。Hubspotを活用していますが、商談後受注にならなかった案件をどうナーチャリングするのか、いつ再架電するかなどが決まっていませんでした。この機会喪失に対して、今は「リストのここからこのタイミングで架電する」ことが決まっているので効率が上がったと思います。
新しいことを学ぶ社員の眼差しが変わっていった
鈴木:アローリンクさんがここまで愚直にセールス組織の改革ができた理由は、良くも悪くも年次の若いメンバーが多く、お伝えしたアドバイスをぐんぐん吸収していただいたからだと思います。
渡邉(里):新しいことを学ぶとき社員の眼差しがめっちゃキラキラするんです。できたことに対して喜びを感じられるので、最初のころと比べて雰囲気がガラッと変わったと思います。
リード獲得100件超につながるBtoBのTwitter運用
鈴木:営業組織の整理が出来てきたところで、リード獲得の支援に取り掛かりました。そこで目をつけたのがSNSです。
BtoBでもSNSに取り組もうとした理由は、当社がSNSに取り組んで認知やリード獲得に寄与した成功体験があった点と、アローリンクのメンバーの皆様がすでにご自身でアカウントをお持ちで情報発信している下地があったからです。
パーソナリティーを武器にして、顧客と接点を創出する施策を提案しました。
黒須:free web hopeは各メンバーのTwitter運用に力を入れていたので、その経験を活かしてSNS支援のコンサルティングを担当しました。
SNSに取り組む企業さんの目的は、「フォロワーを増やして認知を獲得したい」という場合が多いと思うのですが、アローリンクさんの場合は明確に「リード獲得」が目的でした。そのため支援内容も明確でした。
支援は3ヵ月で自走してもらうことを目指し、顧客になりうるSNSユーザーに対してアローリンク社が持ってるノウハウを発信していきました。セールスのメンバー13名に参加いただき、3ヵ月でフォロワー数は全体で6,000名増加、インプレッション数は3倍に増えました。結果、Twitter経由のホワイトペーパーのダウンロードが108件に達しました。
どのように支援したかというと、13名を2チームに分けてホワイトペーパーのダウンロード数を競うゲーミフィケーションを取り入れました。
渡邊(佳):片方のチームがTwitterの工夫をしていると聞いたら、もう一方のチームは「うちはどうする?」みたいな話が出て、めちゃくちゃ盛り上がりました笑
黒須:BtoBでもSNSを伸ばす秘訣はコミュニケーション量です。
とにかくログイン時間を増やして、タイムラインにいる人に積極的に絡みに行く、リアクションをする、そうしてインプレッションを増やすという基本的なことです。見込み客との関係値を構築するために、投稿するテーマを決めたり、内容の添削をしたりしました。
SNSに取り組んだことがない人からすると、「何をツイートしていいかわからない」という壁がありますし、いかに楽しんでやれるか、日常的にツイートできるかが重要です。
評価制度も導入し、持続的なコンテンツマーケティングを
渡邊(里):今回、ダウンロード用のホワイトペーパーも営業メンバーで自作しました。通常の営業活動と並行して一連のコンテンツマーケティングに取り組んだので、業務量が一気にハードになってしまったんです。
そこでマネージメントとしては並行して評価制度とインセンティブも導入し、各人の頑張りが反映される仕組みづくりを行いました。メンバーが闘志を燃やし続ける仕組みづくりは気をつけました。
キーワード、LPO、広告は細かな検証で成果が伸びる
柴田:広告運用に関しては、アローリンクのご担当の方が1名で運用されていたのを引き継いで、今は協力しながら弊社でリードしつつ取り組んでいます。
柴田:引継ぎ当初は、広告経由からのリード獲得に少し苦戦されてるかなというのが見受けられました。正直、弊社も苦戦はしましたが笑
まずはGoogle広告のキーワードの見直しに取り組みました。出稿キーワードが「LINE」と「採用管理ツール」で、「LINE」はインプレッションは担保できるのですがダウンロードに繋がらない。2つのキーワードを掛け合わせると逆にインプレッションが出なくなるという状況でした。塩梅がいいところを探すのに苦戦しました。
Facebook広告はホワイトペーパーのダウンロードを促す内容を出稿していたので、バナーデザインを細かくABテストをしながら運用しました。自分の経験だとビジュアルに数字が入っていた方が反応が良いはずなんですが、「激増」のような曖昧な表現の方が反応が良いなどに気づくのに時間が掛かりました。細かく検証していく中で、「伸びた!」というタイミングが出てきました。
ランディングページへの広告集客では、ファーストビューとCTAの改善をしました。見込み顧客にわかりやすい、顧客が使う言葉に変更したり、LPの中でよく読まれているQ&Aに合わせてアローリンク様と一緒にコンテンツを作ったりしています。
運用型以外の媒体は、ferretさんやBOXILさんへのメルマガ出稿です。メルマガの文面はアローリンクさんに書いていただき、弊社が添削していました。
渡邉(里):メルマガも「文面を書いては添削してもらって…」をずっと繰り返していましたよね。どんな流れで文面を作成し、どのホワイトペーパーをダウンロードしてもらうか、など。
柴田:メルマガで効果を出す重要なポイントは「送信元の名前」と「件名」の2点です。BtoBの場合は、自社名を前面に押し出すのは開封率が下がる傾向があります。
送信元は個人名か、または「〇〇担当です」という表記にすると良いと思います。件名は「数字を使うこと」と「相手の名前を入れてあげること」ですね。「〇〇様へ」と書かれていると私信メールのようで開封率が高まります。ただIT企業担当者宛のメールであれば相手の名前よりも文頭に提供できるメリットを書くなど、使い分けて配信するのが1番良いですね。
文面は、ファーストビューにCTAを配置するほうがいいですね。
BtoBは中長期で優先順位と自社の強みを考える
鈴木:営業の組織改革とそれぞれの施策を進めるにあたって、優先順位をつけました。相当数の施策を回すとなると、ガッツで頑張るか、お金で解決するかの選択肢が必要です。
重要度と掛かるリソースで施策を整理して、外部に依頼できる部分は弊社で請け負いました。例えばホワイトペーパーは、原稿はアローリンクさんで作成いただき、デザインは当社が担当する、という役割分担です。
BtoBのセールス&マーケティングは、目の前の成果指標に合わせる必要もありますが、評価スパンが短すぎて失敗してるケースも多いです。そのリードが良いのか悪いのか答えが出るにはリードタイムがあります。
自社の強み弱みを落ち着いて整理して、施策を中長期で考えていくことも大事だと思います。
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まずは打ち手をご提案させて頂きます。
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