メルマガ会員11万人のWebメディア「ferret」に起きた2つの出来事 乗り越えるために実施した、メルマガの本質
プロジェクトメンバー
- 柴田将斗コンサルタント
- 榊原美咲メルマガ運用
- 小山内祐介メルマガ運用
Webマーケティングの大衆化をミッションに掲げ、Webマーケティングメディア「ferret(フェレット)」や、オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One(フェレットワン)」、フォーム作成管理ツール「formrun(フォームラン)」を提供する株式会社ベーシック。
日本最大級のWebマーケティングメディアである「ferret」は、会員数は47万人、メルマガ会員は11万人を誇ります。この記事をお読みの方も登録されている方が多いのではないでしょうか。free web hopeは、2020年11月からメルマガ運用全般をお請けしています。
「ferret」の運営統括をされていらっしゃる同社のferretメディア部 ferret編集グループ マネージャーの今村龍平様と、メルマガの企画・運用及び分析全般を担当するfree web hopeの柴田将斗、榊原美咲、小山内祐介が、お取り組みを振り返りました。
抱えていた問題
・担当者不足に伴ったメルマガ運用の体制構築
・メルマガ経由のCV数増加
・メルマガ配信停止数の抑制
free web hopeが行ったこと
・運用体制(実行-分析-改善-制作)の構築とルーティン化
・セグメント配信の最適化
・LP制作のメソッドを活用したクリエイティブ制作
・ステップメールの構築
・全体配信数の最適化
得られた成果
・メルマガ経由のCVR3倍以上改善(配信CVR改善)
・メルマガ停止数の減少
・運用/配信ルーティンの確立
・ご契約企業様の継続率が3割向上
体制づくりと、増加する配信停止数の対策が急務だった
ご相談当時の課題を教えてください
今村様:そもそも「ferret」にとってメルマガは、「ferret」に期待して会員登録いただいた方への満足度を計る重要な施策に位置づけています。
会員の方がまだ接触できていないメディア内の有益な情報と出会っていただく、唯一のプッシュ型のチャネルなので。
課題は2つありました。1つめは、「ferret」のメルマガの企画・運用を一手に担当していた当社社員の退職が決まり、早急に運用体制を構築する必要があったことです。そこで中途の新規採用か、外部パートナーさんに委託するかの選択が必要でした。
2つめは、メルマガの配信停止数が増加していたことです。運用の改善が急務になっていました。新たな運用体制づくりと、メルマガの配信停止を防ぐための会員の満足度向上、資料請求のCV目標の達成、これが同時に必要でした。
▲株式会社ベーシック今村様
広告運用もメルマガ運用も本質は同じ fwhの実績なら任せられると思った
free web hopeを選んでいただいた理由を教えてください
今村様:まず、メルマガ運用に知見のある中途採用も検討しましたが、採用難易度やROIを勘案し、外部パートナーさんに委託するほうがベターだと思いました。そこで2、3社ほど広告代理店さんなどにお声がけしました。
free web hopeさんに決めたのは、ferretとは別事業の広告運用でお世話になっており、その成果実績を見ていたからです。
運用型広告もメルマガも、どちらも重要なポイントは本質的には同じです。「誰に、何を、どのように伝えるか」そして、「どのように態度変容してもらうか」です。free web hopeさんであれば、運用型広告と同様の成果を出していただけると思いました。
そしてもう1点は、メルマガ運用を一気通貫でお任せできたからです。メルマガのクリエイティブ制作や、テキスト作成に入稿作業まで、全て実施いただけると言っていただきました。
柴田:当時を振り返ると、自分も拝読していた「ferret」のメルマガ改善プロジェクトだと聞いて震えましたよ笑
▲株式会社ベーシック今村様とfree web hopeのメンバー
CVRが3倍以上改善 会員数が純増に転じる
当初の課題は解決されましたか
今村様:はい。まず、社員が退職してしまった体制をスムーズに立て直していただきました。現在は週2回定例会を設けて資料請求の目標CV数、メルマガの配信停止率の低下に必要なことを議論しています。
柴田:体制づくりは非常に気をつけたポイントです。多くのメルマガやクリエイティブを作成する組織力と、ヒューマンエラーを防ぐためのチェック体制が必要ですから。
「デザイナー、Webディレクションに長けたプランナー、メルマガライターとチェック担当者、データ分析担当」のチームを当社内で組むことで実現しました。
今村様:続いて運用面は、メルマガ会員の満足度を向上するためにも、メルマガ会員への一斉送信から個別最適な配信に変更しました。具体的には、会員の方々に興味関心があるメルマガだけをお送りするようにしました。
結果、メルマガ配信CVR(メルマガ配信数当たりの資料請求CV率)を3倍以上改善できたのです。メルマガ配信停止数も最小化し、会員数は大きく増加しました。
柴田:会員の方々に最適化された内容をお送りするために活用したのが、会員の方々の興味関心項目です。ferretに会員登録する際に興味関心項目を選択いただくのですが、かなり細かくデータを取得できていたので、それに沿って個別最適化の設計をしました。
ただ、あまりにも会員の方々の細かな属性に合わせて運用を設計すると、配信母数が小さくなりすぎ、工数が青天井になってしまいます。メルマガ会員の方々の満足度向上、CV目標数達成、運用可能な個別最適化、そのバランスを満たした運用設計が非常に重要でした。
今村様:かなり難易度が高いことをお願いしているな、と思っていました笑
▲会員登録時に選択する興味関心項目の一部
柴田:運用方針を変更してからは、メルマガ自体の改善策を打っています。
榊原:メルマガは、開封率を高めようとタイトルで煽ったり、魅せ方をキレイにしても、内容と期待値が伴わなければ資料ダウンロードには繋がりませんし、配信停止に繋がってしまいます。
期待値を上げることよりも、読み手のニーズに沿ったメルマガ運用をしていくことを主眼におきました。
▲左から、free web hope榊原、柴田、小山内
小山内:メルマガ改善は読み手のことを考えることから始めます。「ferret」記事への遷移率を高めるために、当社が得意とするランディングページ制作のメソッドを活用しました。
メルマガもランディングページも、読み手が知りたいのは製品の概要ではなく、自分が抱える課題を解決してくれるコンテンツかどうかです。読み手の興味を喚起する構成にしたり、メール本文にダウンロード資料の内容を一部掲載することで、サイトへの遷移率が上がりました。
またメルマガの差出人名が「ferret運営事務局」だったものを、ベーシック様のferretメディア部の方の名前に変更いただき、温もりあるコミュニケーションにしました。その結果、メルマガ開封率は上がりましたし、それに応じて資料ダウンロード数も上がりました。
▲ランディングページ制作のメソッドを活用したメルマガの例
榊原:開封率が良かったメルマガでも、配信停止に繋がったものであれば、タイトルや内容を見直しています。また、目標CVの結果、アポ・商談に繋がったのかもヒアリングし、その結果に併せてメルマガの内容も変更するようにしています。
今村様:free web hopeさんには、愚直に施策を実行していただきましたね。当初の課題が解決し、CV数が安定したこともあり、ご契約企業様の継続率が3割向上することに繋がっています。
また、メルマガ配信停止希望者には理由のアンケートを取っていますが、「メルマガの頻度が多い」が選ばれることが減りました。
ネガティブな情報ほど早いレス それが信頼に繋がった
free web hopeとの取り組みの中で、印象的だったことはあるでしょうか
今村様:予期せぬ外的要因によって配信停止が増えたり、期待した成果が出なかった施策があったときに即座に相談・対応いただけたのは信頼に繋がりましたし、印象に残っています。
ネガティブな伝達事項は、なかなか伝えづらいことが誰でもあると思います。隠ぺいする意図はなくても、依頼側は「これはどういう状況なのだろう」と不安な時間が長くなるほど、ストレスが掛かります。「free web hopeの皆さんは、ネガティブな事象が発生したときこそ、レスを早くしていただいているな」と感じることが多かったですね。
柴田:原因不明の事象が起きたときは、とにかく調査をするしかなかったです。WebやSNSで調べて、iOSのアップデートが影響しているのを発見したことなどもありました。そうした事象が夜に発生したとき、翌朝には対策をご提案していましたね。
メルマガ~コンテンツ発信まで 一気通貫を期待
今後、free web hopeに期待することはありますか
今村様:広告運用やLP制作といったアクイジション(新規顧客の獲得)に加えてメルマガ運用の実績をお持ちなので、今後はその先を期待しています。
具体的には、ホワイトペーパーの制作など、エンドユーザーの期待に沿う、期待以上のコンテンツを届ける部分も担っていただき、さらに一気通貫でお願いできると理想だと思いました。
柴田:ありがとうございます。弊社は現在もホワイトペーパーの制作やPR記事の執筆など、コンテンツ制作をお請けすることもあります。
広告運用もメルマガもコンテンツも本質は同じで、「ユーザーのことを考え、気づきを与えられるか」です。それを実践していきたいと思います。
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