GA4(Google Analytics4)移行で見えるようになったCVに繋がる顧客の導線とは?
プロジェクトメンバー
- 古瀬純功コンサルタント
株式会社FPパートナーは、保険相談・家計相談・貯蓄方法・相続対策・教育資金の準備方法等、お金に関するあらゆることをファイナンシャルプランナー(FP)に無料で相談できるサービス「マネードクター」を運営しています。
マネードクターの特長は、全国47都道府県に拠点があり、2,000名を超える営業社員が在籍していることです。さらに、卓越した生命保険・金融のプロフェッショナルとされる「MDRT」会員が888名(2023年度)所属し、その該当率は44.1%を誇っています。
今回、同社マーケット推進部が活用しているGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス:UA)をGA4へ移行するのに伴い、free web hopeは移行の設定、及び、Web施策全体のコンサルティングをご一緒させていただきました。本プロジェクトを担当した株式会社FPパートナー マーケット推進部 上薗真吾様、free web hopeのAd Unit コンサルタント古瀬純功がお取り組みを振り返りました。
抱えていた問題
・ユニバーサルアナリティクスからGA4の移行に伴う知識不足
・GA4の活用における社内浸透
free web hopeが行ったこと
・サイト導線整理/KPI設計
・GA4の解析環境整備
・GA4活用のアフターフォロー研修
得られた成果
・GA4の解析環境整備
・GA4活用の内製化
▲株式会社FPパートナー上薗真吾様(左)、free web hope Ad Unit コンサルタント古瀬純功(右)
GA4移行を機にさらなる顧客ニーズの把握を目指す
ご相談当時の課題を教えてください。
上薗様:今回のプロジェクトは、2023年7月1日にサポートを終了するGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス:UA)をGA4に移行することに端を発しています。
私が担当する業務はWeb上でお客様を集客し、FPの方々とマッチングすることです。主にリスティング広告やオウンドメディアで集客し、サービスサイトやランディングページ(LP)で無料相談に申し込んでいただきます。私はそれらの施策の解析のためにUAを活用していたので、GA4へ移行する必要性が出てきました。
今後の事業拡大を見据えたときに、「カスタマイズ性の高いGA4を使ってさらに高度な分析を実現したい。お客様のニーズを掴んで、最適なコンテンツをお届けしたい」という想いがありました。そのためには我々がGA4をしっかりと理解する必要があり、GA4移行の設定はインハウスで実施したいと考えていました。
ただGA4は、カスタマイズ性が高いがゆえに、「自分たちがどんなデータを取得したいのか」を事前に考えて、移行の設定をする必要があります。そこで現状の課題の洗い出しや、全体の組み立てなどを一緒に考えていただけるパートナー企業を探していたのです。
インハウスで設定したい意図を汲んだ提案とフォローがあった
free web hopeを選んでいただいた理由を教えてください。
上薗様:複数の企業さんにお声がけし、比較検討しました。GA4移行の設定を行うパッケージのようなプランをご提案いただくこともありましたが、私たちは最終的にインハウスでの設定を目指していたので、そこまでサポートしてくれる企業に依頼したいと思っていました。
feee web hopeさんは我々の意図を汲み取り、GA4への移行プランと、それに付随する分析のフォロー研修などもご提案くださいました。その点を評価し、今回プロジェクトをお願いすることにしたのです。
古瀬:GA4移行の難しさは、移行に際して、そもそものKPIや中間KPIをどう設定するかを考える必要がある点です。その上でGA4をどう活用するか、受け皿のWebサイトの構造からどういった数値を取得すべきかなど計測における全体設計が必要です。
ビジネスの観点とGA4におけるそれぞれの知見が必要なため、ある程度の経験がないと難しいと思います。そこで、GA4移行の目的の整理、その後の分析、改善施策の打ち方を学ぶ研修のご提案もしました。
移行設定の前に、そもそもの目的とKPIを整理する
具体的にはどのように進めていったのでしょうか。
上薗様:まず、「我々の目的は何か、どんな成果を目指すべきか」のヒアリングから始めていただきました。
古瀬:いきなり移行の設定をするのではなく、受け皿のサイトの情報構造や概念をハイレベルサイトマップにまとめ、全体像をプロジェクト関係者で理解・共有しました。
大まかな流れとしては、始めにKPIを設定し、続いて仮説を立てて中間KPIを設定しました。中間KPIを設定したら、実際にGA4でデータを定時モニタリングし、「中間KPIとして相応しいのか」仮説検証をしていこうと考えました。
▲作成したハイレベルサイトマップ
上薗様:この整理をもとに、取得すべき必要なレポートが見えてきました。
古瀬:今回は「無料相談完了」などKPIを3つ設定し、中間KPIを何に設定するかを皆様と検討しました。
LPへの初回のセッションは流入元の媒体、キーワードによってコンバージョン率(CVR)が異なることが予想されたので、セカンダリディメンションを組んだレポートを作成しました。
コンバージョン数に相関がある中間KPIはないかを探索したときに、初回のエンゲージメントと相関があることがわかったのです。レコードで可視化できるようにし、合わせてLPのスクロール率のレポートも作成しました。
私の経験則や皆様の意見をもとに、中間KPIとして、「オウンドメディアの特定ジャンルの記事のスクロールイベント数」「初回訪問時のユーザーエンゲージメント数」「サービスサイト内のTV-CM動画のビュー数」などをGA4のイベント(※)に設定し、GA4の「探索レポート」を使用して定時モニタリングしました。
※イベントとは、ユーザーがある行動を起こした際に、GA4上で数値を計測することを指します。
上薗様:レポートに必要なイベントの設定は、我々でもできるようにフォローしてもらいました。おかげで「GA4を使って自分が計測したいものは何なのか、それを実現するためにはどうすれば設定できるのか」の手順がわかるようになりました。
これは自分にとって大きくステップアップした感覚でした。従来は自身が実現したいことの言語化や、ゴールにたどり着くまでの手順の踏み方がわからない部分もあったので。
GA4はカスタマイズ性が高い反面、複雑になっており、その設定方法に慣れるには時間がかかります。1,2回触っただけでは設定方法を習得するのは難しいので、古瀬さんのサポートは非常に助かりました。
古瀬:UAとGA4の仕様の違いとして、UAはページビューやCVがセッション単位での計測であるのに対して、GA4はユーザー単位の計測になっていることがあります。ユーザーの行動を計測するので、ユーザーのストーリー性を捉えることが重要です。効果的な施策を検討しやすくなった半面、分析の難易度は上がったと思います。
「数値の上がり幅、改善の上がり幅/下がり幅、かつ、KPIに相関がある数値が上がった、改善したと言えるか」を探し当てるのは、従来よりも時間がかかるようになったと言えます。
古瀬:例えば、ユーザーが広告からサービスサイトを訪問した際に、何かの都合でファーストビューだけで離脱したとします。その後2回目のセッションでコンバージョンしても、UAではファーストセッションは評価されません。しかしGA4で測定すれば初回訪問がどの媒体なのかを見ることができます。
UAとの計測方法の違いを把握した上で、GA4なりの分析をしていく必要があります。
CVRの高さは初回訪問時のエンゲージメントが鍵
定量的な効果はどうだったのでしょうか。
上薗様:広告からの集客でどのLPに効果が出ているのか出ていないのかが、以前と比較してしっかりと分析できるようになりました。
また、タグの設定を非常に細かく実施していただき、今後は私が実施できるよう指導してもらったのも有意義でした。
古瀬:GA4の移行が完了してから約1.5ヵ月後に、データが集まった状態で分析に関するアフターフォローの研修を実施しました。実際のデータサンプルをモニターで見ながら分析していただくことで、一方通行の研修にならないようにすることが狙いです。
すべてオンラインで実施しましたが、インタラクティブになるよう実施できたと思います。
▲分析研修のプログラム
古瀬:分析のフォロー研修を実施して、中間KPIの仮説の1つだったFPパートナー様のオウンドメディア「マネードクターナビ」の効果が可視化されました。初回にオウンドメディアの記事に訪問した人にエンゲージメントのイベントが発生しているとき(※)、CVRが高い傾向にあることがわかったのです。
先述のように従来のUAは数値の取得がセッション単位なので、オウンドメディアの記事からコンバージョンしない限りは、オウンドメディアの効果を把握することは出来ませんでした。GA4によって、「オウンドメディアに訪問したユーザーが最終的にコンバージョンしたかどうか」がわかるようになったことで得られた効果です。
※エンゲージメントの定義:10秒以上継続した、1件以上のコンバージョンイベントがあった、ページビューが2回以上あった
今後は、「エンゲージメントに寄与しているのは何なのか」の仮説検証が必要になります。オウンドメディアのコンテンツなのか、クリエイティブなのか、それとも別の要素なのか。課題がわかれば、改善策を広告やLPなど他施策に応用することができます。
▲当時使用した研修用資料を振り返る
言語化できていない「理想の姿」を汲み取ってもらえた
free web hopeとの取り組みを振り返ってみていかがだったでしょうか。
上薗様:非常にやりやすかったですね。私の知識が不足している部分を補っていただき、実現したいことの言語化ができていなかった点をうまく拾い上げてもらえたので、非常にコミュニケーションがスムーズでした。
当社としては、今後はお客様の資産形成や相続など、お客様のお金に関わる部分を当社のFPが担えるようサービスを拡充していくことを想定しています。
今回のGA4への移行もその流れの一環です。マーケット推進部として、お客様のそれぞれのニーズに合わせてより良いコンテンツを発信し、集客していきたいと考えています。
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