広告費ゼロ、週1日の販売で月500万円超 人気牛タン店がD2C参入で直面した壁と売れ切れ続出になるまで
プロジェクトメンバー
- 金 隆宏プロジェクトマネジメント
- 馬渕 花凜プランニング
- 篠原 妃佳梨SNSディレクション
福岡の牛タン料理専門店「たんか」は、福岡市内に3店舗を構える予約必至の人気店です。県外のお客様からの要望とコロナを機に、EC(ネット通販)を開始する決断をされました。
free web hopeは、商品コンセプトからECサイトの立ち上げ、集客までを伴走させていただいています。
株式会社たんかの代表取締役 小材幹太様と、本プロジェクトの全体マネジメントを担当したfree web hopeの金隆宏、ECサイトや集客施策のプランニングを担当した馬渕花凜、SNSのディレクションを担当した篠原妃佳梨を交えて、お取り組みを振り返りました。
抱えていた問題
・ECでの立ち上げノウハウとリソースの不足
free web hopeが行ったこと
・コンセプトの定義
・ECサイトの立ち上げ/運用
・Twitter企画設計/運用
・LINE公式アカウントのコンサルティング
得られた成果
・ECでの売上 500万円/月
・Twitterフォロワー 2万人
・「乃木坂46」のYouTube動画で商品紹介
マーケティング、ECに関する知見がまったくなかった
ご相談当時の課題を教えてください。
小材様:以前より県内外のお客様から、「たんかの肉を自宅でも食べたい、送ってほしい」という要望を多くいただいていたのです。
コロナの影響で店舗の営業が難しくなったことが重なり、本格的にECで販売する決断をしました。やるからにはモール型ECへの出店ではなく、自分たちらしくお客様と真剣に向き合うECサイトにしたいと思っていました。他の人の真似はしたくない性分なので。
しかし、マーケティングやECの知識が社内になかったため、それに長けた会社を紹介してもらおうと知人を頼ったのです。紹介を受けたのがfree web hopeさんでした。
最後までやり遂げてくれる会社かどうかで決めた
free web hopeを選んでいただいた理由を教えてください。
小材様:重視したのは、最後までやり遂げてくれる会社かどうかですね。このプロジェクトは、「ECサイトやホームページを立ち上げて終わり」の会社とでは上手くいかないと思っていたからです。
売上月500万円超 商品は毎回売り切れに
当初の課題は解決されましたか?
小材様:はい。ECを開始して1年でコンスタントに月400万円を売り上げるようになり、直近は500万円を超える月があります。
現在は、毎週日曜日の10時からの販売に限っているのですが、ほぼ毎回売り切れます。
九州産の黒毛和牛の牛タンは市場の供給量が限られるので販売方法に制限があるのですが、今後は供給体制を整え、月1,200万円の売上を目指していきます。正直、「まだまだもっと上を目指したい!」と思っています。
金:たんか様はECのご経験やWEBマーケティング専任の方がいらっしゃいませんでした。最終的には自走していただけるよう、一部制作を請け負いながら、コンサルティング型でプロジェクトを進行しています。
小材様:free web hopeさんのスピード感には本当に助けられました。コロナで店舗営業ができない中、お会いしてから約2ヵ月でECをスタートすることができたのですから。
しかし、ECが軌道に乗るまでにいくつかの壁に直面しましたね。
EC立ち上げを2か月で完遂! が、徐々に売上が鈍化…。
金:最初は当社の別のスタッフがプロジェクトを担当しており、コロナでの店舗営業の状況を鑑み、スピード優先でECの環境を整えていました。
ECサイトを制作し、価格や配送の梱包を決め、販売方法を決めました。牛タンは供給量が限られることもあり、販売日時を限定しました。
ほかにも集客のためのSNS運用や、割引キャンペーンなども矢継ぎ早に開始しました。
一定の売上が立ち始めたのですが、2, 3ヵ月ですぐに鈍化してしまったのです。スピードを優先したばかりにコンセプトと施策の細かな部分が粗くなってしまい、商品の良さが消費者に伝わっていないことが要因だったと思われます。
小材様:スピードを優先いただいたのは一定理解しつつも、「free web hopeさん、大丈夫なの?」と発言したこともあったんです。
そこからすぐに体制の立て直しを図っていただき、金さん、馬渕さん、篠原さんにプロジェクトに参画してもらいました。
消費者目線で当たり前のことを当たり前に実行する
金:立て直しのために取り組んだことは大きく3つです。
1. 消費者理解を深めること
2.SNSでお客様との1対1の関係を築いて、エンゲージメントを高めること
3.コンセプトを定義すること
商売において当たり前のことと言えば当たり前のことばかりですね。
消費者理解を深めるために、まず、自分でたんか様の商品を購入して食べてみました。また優良顧客にインタビューし、生の声を集めました。
「商品はとても美味しいので認知されれば売上を上げられるだろう」と感じましたし、もっとお客様の声をECサイトに反映しようと思いました。
たとえば、お客様から「肉以外にもタレや出汁、薬味が付属しており、鍋を用意するだけなので、ホームパーティに最適だ」という意見がありました。実は当時のECサイトは、肉の質の良さを謳うだけで、消費者のベネフィットや飲食シーンを想起できるメッセージがなかったのです。
そこで「たんかのお取り寄せは準備いらず」であることを訴求点に入れました。
広告よりもSNSに注力 Twitterのフォロワーが2万に
金:飲食ビジネスの利益構造を考慮し、集客施策は広告費のかからないSNSを中心に立て直しを図りました。たんか様のTwitterフォロワー数は2万人を超えており(2022年4月現在)、主要な集客チャネルに育っています。
立て直し以前からフォロワーは2,000人ほどいたのですが、販売告知の投稿をしてもインプレッション(投稿の表示回数)はほとんどつかず、ECサイトへの流入に繋がっていなかったのが課題でした。
そこでKPIをサイト流入数に設定し、エンゲージメントの低さを改善することと、認知獲得のためにインプレッションを増やすことに取り組みました。
篠原:SNSでエンゲージメントを高めるためには、“1対1”を意識したコミュニケーションを増やすことが必要です。
フォロワーの皆さんからいただいたコメントへのリツイート&いいねは当然ですし、お礼のリプライは相手の顔を思い浮かべながら個々のコメントに併せて文章を作成しています。こうした関係づくりはリアルの世界と一緒なんです。当初は、1日数時間はTwitterに取り組みましたね。
同時に認知獲得のためにフォロー&リツイートを促す「29の日キャンペーン」を行いました。
一般的に、懸賞アカウントと呼ばれるフォロワーが増えやすいキャンペーン施策は、購買に結びつかないといわれています。しかし、懸賞アカウントは商品の魅力について丁寧にコメントをしてくれます。
それをリツイートすれば、フォロワーに商品の魅力を伝えられるので、懸賞アカウントかどうかは今回は問題ではないと考えました。
実際にECサイトの流入に繋がったので、素晴らしい商品が中心にあればキャンペーンは機能するとわかりました。
馬渕:Twitterはインプレッションの多い投稿が必ずしもECサイトへの流入に繋がらないケースも出てきます。
そのため常にKPIの「サイト流入数」を意識することが重要です。
現在はUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生み出しやすくするためのクリエイティブを作ったり、良質なUGCをECサイトに活用したりしています。
やはり、お客様の声を活用して地道に商品の魅力を発信することが大事です。投稿ネタは、常に悩みながら捻りだしていますが。
LINE公式アカウントの運用もコンサルティングさせていただいており、ここでもお客様との1対1を意識しています。
小材様:スタッフ個人のTwitterアカウントも集客のために指南してもらっています。
SNSを運用する意図、運用方法など細かくレクチャーしてもらい、開始から3ヵ月でフォロワー数が2,000を超えるメンバーもいるので驚きです。
SNSだと直接お客様の顔が見えないので、店舗での接客との違いを理解するのに苦労しました。しかしまったくの未経験から始めてもこれだけの成果が出ています。
金:SNSでの認知拡大がきっかけで、乃木坂46のYouTube動画で商品が取り上げられることにも繋がりましたね。
取り組んだことの最後の1つが、ECのコンセプトの見直しです。小材さんは、「お客様に最高のお肉を届けて喜んでもらいたい」という想いが非常に強い方です。
この「たんからしさ」をすべての施策に行きわたらせたいと思いましたし、立ち上げ時の失敗を再発させないためにもコンセプトが必要だと考えました。その想いを「おうちで楽しむ最高の肉体験」と設定したのです。
コンセプトを常に意識することで、やるべきことが明確になりました。振り返ってみると、失敗した施策はこのコンセプトから外れたものでしたね。
free web hopeは経営者が欲しい答えを用意してくれる
小材様:free web hopeさんは、毎週の定例会議で、販売実績の数字をもとに今後の販売戦略を明示してくれます。経営者が欲しい答えを用意してくれるのです。
1つひとつの施策に意図があり、傾向と対策をきっちりと示してくれるので非常に助かっています。
D2Cを始めたい経営者はfree web hopeに相談を
今後ECを始めたいと考える経営者にアドバイスはありますか?
小材様:アドバイスは3つあります。
まずは既存の商品の中から、「ECで販売することに適した商品は何か?」を考えることです。鮮度が必要な商品は、加工や物流がネックになります。売れる商品設計が必要です。
商品を消費者に送り届けるだけでは価値を創造できません。なので次に、「商品体験全体をどう設計するか」が必要だと考えます
3つ目は、オーナー自身がECやSNSの重要性を理解し、実践することです。ECは1つの店舗です。WEB上で顔の見える接客を行う必要があります。
free web hopeさんには、こうした商品も含めたコンサルティングを今後も期待します。
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